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レジェンドな経営者と反面教師の本音ブログ

「2・8の法則」はどこにでも存在する!?

2015年02月20日

「営業の仮説力とは!?」をシリーズ化して進めていますが、今週は少し嗜好を変えて読み切り番外編をお送りしたいと思います。

 

 

 私が20代の頃の話です。大ファンだった芸人が司会を務めるある関西ローカルのTV番組がありました。ある日、その番組で「大阪で一番美味しいお好み焼きを決める」という企画があり、「審査員をやりませんか?」という依頼が番組スタッフから私の携帯に入りました。頻繁にその番組の観覧に行っていたことが審査員のお誘いを受けた背景なのですが、私は喜んでその依頼を受けることにしました。

 

 

 

収録当日、当時住んでいた名古屋からワクワクしながら大阪のテレビ局へ向かいました。

 

 

 

スタジオに入るとお好み焼き台が10台並べられていました。

テレビの収録用に設置された10台のお好み焼き台はなかなかの迫力でした。

 

 

そして、スタッフから今回の企画について次のように説明されました。

 

・今回は二次予選であり、一次予選を通過した40名がお好み焼きを作る

・「ますだおかだ」と「麒麟」の二組がインタビュアーとして参加する

・審査員は一般人約50名であり、Aチーム・Bチームの2組に分かれる

・前半20名分をAチームが審査する

・後半20名分をBチームが審査する

・10名ずつお好み焼きを作り、審査員の投票結果から2名が決勝へ進出する

・4セッションで毎回2名が決勝へ進むため、計8名が決勝進出者となる

・決勝の収録は別日であり、最終審査は出演者達が行う

・優勝者には賞金100万円が贈呈される

・優勝者はお好み焼きのレシピを番組側へ公開する

 

 

 

ご存知の通り、お好み焼きは大阪を代表する食べ物です。

お好み焼きに自信のある人達が多数応募し、一次予選を通過するのも大変だったそうです。

その中には、お好み焼き屋さんを経営しているプロも交じっていました。

驚いたのは全国にチェーン展開している「ぼてじゅう」までもが参加していたことでした。

 

 

「これは相当美味しいお好み焼きが食べれるなぁ」という期待が膨らむと共に、

「所詮、素人の舌しか持ち合わせない自分に正しい審査ができるのかなぁ」という不安もよぎりました。

 

 

 

いよいよ一組目の10名がお好み焼きを作り始めました。

 

 

 

審査員は「誰が作ったか」が分からないようにスタジオの外に出され、焼き上がるまで待機です。

 

 

 

「審査員の方、スタジオに入ってください」

 

 

スタッフの呼びかけでワサワサとスタジオに移動しました。

スタジオの中はお好み焼きの匂いが充満しており、10台のお好み焼き台の上には焼き上がったお好み焼きが美味しそうに湯気を漂わせていました。

 

 

「すべてのお好み焼きを一口以上食べてください。その中から最も美味しいと感じたお好み焼きを2つ選んで番号札をこの箱に投票してください」

 

 

スタッフからそう告げられた私は早速一番近いお好み焼き台に向かいました。

そして、食べやすいよう切断されたお好み焼きを一つ皿に乗せ、すぐに一口目を味わいました。

 

 

「お・おいしい!!」

 

 

お腹を空かせていたこともあり、最初に口にしたお好み焼きの感想は「おいしい」以外の何物でもなかったのをハッキリと覚えています。

 

 

そして、2枚目のお好み焼き、3枚目のお好み焼き、と順番にお好み焼きを口に運んでいきました。

 

面白いもので同じお好み焼きでも作る人が変われば味も全然違うんですよね。

ただ、どのお好み焼きも「おいしい」という感想に変わりはありませんでした。

 

 

6枚目のお好み焼きを口にするまでは・・・。

 

 

 

1枚のお好み焼きに対して一切れとはいえ、5枚分を口にすると空腹感は無くなってきます。

 

 

そんな中、6枚目のお好み焼きを口にしたのですが、その瞬間、衝撃が走ました。

 

 

 

「何これ・・・メチャメチャ美味しい・・・」

 

 

 

6枚目のお好み焼きは、それまで口にしてきた5枚のお好み焼きとは比べ物にならない味だったんです。

 

 

お好み焼きなんてどれも同じようなものだと思っていたけど、これほどまで味が違うものか・・・と本気で驚きました。

 

 

 

審査は続きます。

 

 

どれも美味しいお好み焼きのはずなのに、6枚目のお好み焼きがあまりにも美味であったため、7枚目、8枚目、9枚目と食べ進めた感想は、

 

「まっ、普通だな」でした。

 

「6枚目のお好み焼きには到底およばないし、勝てるお好み焼きなんて早々出てくるわけがない」

 

そう考えていました。

 

 

 

ところがドラマは最後に用意されていました。

 

最後に口にした10枚目のお好み焼きです。

 

 

その衝撃は6枚目のお好み焼きとほぼ同じでした。

 

 

 

「何これ・・・これもメチャメチャ美味しい・・・」

 

 

 

腕に自信のある人が作った10枚のお好み焼き。

その中から最も美味しいと思うお好み焼きを2枚選ぶ、という今回の審査は想像以上に簡単でした。

 

 

 

そうです。

6枚目と10枚目がずば抜けて美味しかった、ということです。

 

 

 

 

そして何よりも驚いたのは、2セッション目にも同じことが起こったことでした。

 

 

2セッション目も同じように10枚のお好み焼きを一切れずつ口にしたのですが、

「何これ・・・メチャメチャ美味しい・・・」

 2枚だけ存在したのです。

 

 

審査結果はテレビで見たのですが、案の定、ずば抜けていた4枚が決勝に進んでいました。

収録後、仲良くなった何名かの審査員の方とも話したのですが、私と全く同じお好み焼きに投票した、と仰っていました。

 

 

 

 

この経験で学んだことは2つでした。

 

 

「2・8の法則」はお好み焼きの世界にも存在するということと、

「2」と「8」の差は歴然としたものがある、ということでした。

 

 

 

何事もずば抜けなければ選んでもらえない。

これって、ビジネスも同じ、ですよね。

  

 

 

 

 

 

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