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レジェンドな経営者と反面教師の本音ブログ

仕事した気になっている!?③

2014年05月16日

「御社は、硬直的な会社ですか?それとも変革的な会社ですか?」

  

前回のブログでは、

多くの社員が「改善」の必要性を認識することと、

会社として「改善」を実行に移せることの間には、

とてつもない障壁があることを述べ、

企業としての成長発展を永続的なものにするためには「改善の必要性を認識したら、実際に行動に移せるような企業文化」を創っていく必要がある、とご説明しました。

 

そうでないと・・・、

組織が大きくなればなるほど「ムダ」は増え続け、

その増えた「ムダ」はいつまでも改善されないことになり、

社員が「ムダなこと」に多大なエネルギーを使うことになる

さらに、

一生懸命に仕事をした気になってしまう

ということでしたね。

  

今週も「仕事した気になっている」シリーズを継続したいと思います。

  

さて、このシリーズを始めたときから、

BtoBビジネスを軸に、

「営業パーソンのリソースが何に使われるのか」を大きく以下の5つに分類してきました。

 

①ビジネスチャンス(案件)を創出するための活動

②創出された案件商談を受注するための活動

③社内報告資料、会議資料作成のための活動

④会議、ミーティングなどの活動

⑤受注後の事務処理・手続きなどに対応するための活動

 

 

ちなみにこの5つの中で、「ムダ」が潜みやすいのはどれだと思いますか?

 

 

やはり、

 

③社内報告資料、会議資料作成のための活動

④会議、ミーティングなどの活動

⑤受注後の事務処理・手続きなどに対応するための活動

 

ですよね。

 

 

今回は、

 

③社内報告資料、会議資料作成のための活動

 

の中に潜む「ムダ」について考えていきたいと思います。

 

 

 

「ムダ」が潜んでいるかどうかを考えるときに最も重要なのは、

「この資料の本来の目的は明確になっているか?」

ということです。

 

 

ちなみに・・・、

ここでいう「本来の目的」とは、

資料全体の話だけでなく、資料の中身(ページや項目)も含みます。

 

 

つまり・・・、

「それぞれのページや項目の本来の目的は明確になっているか?」

ということです。

 

 

 

仮に目的が明確になっているとしたら、次に考えるべきことは、

「本当に必要か?」です。

 

 

大量の時間を投入して、いくら立派な資料を作成しても、ほとんど見ることもなく読み飛ばされてしまうようなページや項目は「ムダ」だと言わざるを得ません。

 

 

 

 「そんなことは分かっている」

と感じておられる経営層の方もいらっしゃるかもしれません。

 

 

 

しかし・・・、

気をつけてほしいんです。

謙虚に振り返って欲しいんです。

現場に「ムダ」なことをさせているのではないか、ということを・・・。

 

なぜなら、経営層、あるいは組織の上位層の立場から、現場に何らかのアウトプットを求める際、そのアウトプットを出すための「現場の負荷」にまで気が回っていないケースが結構あるんです。

 

 

 

例えば・・・、

私が目の当たりにしたこんな実話があります。

 

 

 

 

 

ある日・・・、

経営会議で、経営トップがこう言いました。

 

「〇〇の状況を知りたいので、〇〇を集計した指標が欲しい」

 

すると・・・、

経営企画部門のトップが、経営会議の後に部下へ次のように指示しました。

 

「これとこれを集計した指標を次月から経営会議の資料に組み込むように」

 

当然・・・、

経営企画部門のメンバーはその集計指標をアウトプットする方法を考えます。

 

そして・・・、

「営業現場からの情報提供が必要である」という結論に至りました。

 

そこで・・・、

経営企画部門から営業マネジメント層へ「必要な情報の提供依頼」が出されます。

 

ついでに・・・、

「経営トップからの指示」であることを付け加えました。

 

その結果・・・、

依頼のあったその情報の「必要性」や「報告のための手間」などは考慮されることなく、営業マネジメント層から営業パーソンへアウトプット作成の指示が出されました。

 

いよいよ現場が動きます。

 

しかし・・・、

指示された情報は瞬時に算出できるような情報ではなかったため、営業パーソンが自分の手で情報を集め、計算して、報告する必要がありました。

 

 

手間がかかるものの、「報告せよ」と言われるので、対応せざるを得ない・・・。

 

 

やっとの思いで報告資料を作成して、営業マネージャーへ提出します。

 

営業マネージャーも部下の報告内容を元に部として集計した報告資料を経営企画部門へ提出します。

 

そして、経営企画部門は、営業の各部門から提出されてきた情報を使って次の経営会議の資料にその項目を埋め込みます。

 

組織の多くのリソースを使って、新しい項目が追加された経営会議の資料が完成しました。

 

 

いよいよ経営会議です。

 

 

新しい項目が追加された会議資料を使って、経営企画部門のトップが経営層に対して説明を行います。

 

 

説明が終わって、いよいよ経営層が口を開きました。

 

 

しかし・・・、

 

 

経営層は新しく追加された項目について触れてきません。さも昔から経営会議資料にその項目が存在していたかの如く、全く触れてきません。

 

 

経営企画部門のトップも、特にそのことについて触れようとしません。

 

 

結局、今回の経営会議で、追加した項目は何の意味もありませんでした。

 

 

それでも・・・、

次月以降の経営会議の資料には、この項目は必要なのです。

 

なぜなら経営層から「この項目はいらない」とは言われていないから・・・。

 

次月以降も営業パーソンは、この追加された項目のために貴重なリソースを奪われ続けます。

 

 

「本当に必要か?」

 

 

そう思いながらも、誰も何も言わない・・・。

 

 

経営トップから指示のあった項目だから・・・。

 

 

「どれだけ手間がかかると思ってるんだ!」

 

 

そう思いながらも、誰も何も言わない・・・。

 

 

経営トップと直接話のできる経営企画部門のトップは、

「手間がかかっている」ことすら知らないから・・・

 

 

だから・・・、

経営トップも「手間がかかっている」ことを知らない・・・

 

 

 

 

この話・・・、

他人事ではない、という方が多いのではないでしょうか?

 

 

 

 

 

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